2024年8月15日~24日の期間で派遣した福岡・イポー青少年訪問団派遣事業について、訪問団員(7名)のレポートをご紹介します。
今回は2人目、香住丘高等学校2年生・長さんのレポートです。
福岡市 × イポーの国際交流
姉妹都市交流といえば!それはやはり、お互いの国の文化、市の特色・魅力を伝えることだと思います。広場で福岡市のことを広報してきました!本当にたくさんの方が私たちを歓迎してくださいました!こんなに人が多いと思っていなかったのでうれしかったです。
カリグラフィー(ひらがなを書いてます)
「日本の文字は3種類あるんだよ!」というと興味を持ってくれました。
マレーシアは多民族国家なので、中華系の方もいます!
広場で中国の方たちが通う学校の生徒さんたちが、獅子舞のようなものを踊っていて迫力満載でした(この獅子の中に一人の生徒の方の上にもう一人が乗っていて、ひやひやしました)。
図書館と交流と聞いていたので、団員みんな読書をすると思っていました。けれど、福岡市とイポー市の交友のイラストの色塗りをした後、マレーシアの伝統的な遊びをし…BGMがノリのいい音楽にかわり、いつの間にか踊って歌っていました。驚きましたが楽しかったです。
ロストワールドという、商業施設でジャパンフェスティバルが開催されていました。
施設内では日本の曲が流れていたり、アニメのコスプレをして遊びに来ている方がいたりしました。私たちは福岡市のブースで福岡市の地理的特徴、学生の生活、人気のスポーツ、特産品、日本のおもちゃを紹介しました。
折り紙での鶴の折り方を教えています
(ずっとhold and……hold, nice !を連呼していました)
本当の家族のように受け入れてくれたホストファミリー
最初はとても緊張していました。日本でもあまり他の人のお家に長期間滞在することはないので、もし仲良くできなかったらどうしよう、失礼なことを言ってしまったりしてしまったらどうしようとずっと悩んでいました。しかし、初めて会った時から暖かく迎えてくれて非常に安心したのを覚えています。私はホストファミリーの中でも一番年下だったので、いつも気にかけてくれていて心が温かくなりました。私が申し訳なさそうにしたとき、ibu(マレー語でお母さん。滞在中ホストマザーを呼ぶときはこれを使っていました。)が「Never mind, Erika~!」と声をかけてくれて、悩み事を相談した時も親身に寄り添ってくれました。初めて会った時から、「私は今日からマレーシアでのあなたのお母さんよ!」と言っていた通り、私にとってはかけがえのない恩人でありibuになりました。
また、ホストシスターはしっかりしていて頼りがいのあるお姉ちゃんでした。二人でお買い物に行ったときは、趣味の話などで盛り上がって楽しかったです!今までずっとお姉ちゃんがいたらどんな感じだろうと思っていて、シスターがいると分かったときはとてもうれしかったです。ホストシスターにはまだ生後8か月の赤ちゃんがいてとーーーーーーっても可愛かったです!この子の成長した姿を将来見てみたいな、と思いました。ホストブラザーは家には二人いて、優しいお兄ちゃんたちでした。一人のブラザーはワンピースなどの日本のアニメが好きなようで、日本語の意味を質問してくれたので頑張って説明しました。日本語の意味を聞かれるとなると、なかなか難しいなと感じました。特に「さん、くん、ちゃん」などの敬称を聞かれたとき、英語で完璧な「=」になるような語句がなかったので、自分の持っている語彙力をフル活用して説明しました。
みんなに人気の可愛い可愛いアリサちゃん
イポー市の高校に入学体験
ラジャチュラン高校で2日間入学体験をしました。
伝統的な踊りで歓迎してくれました↓
朝から迫力満載でパワーをもらえました。
伝統的な楽器を使って次の日にお披露目することになりました。
私は楽器はあまり得意ではなくてかなり苦戦しました。
カリグラフィーの授業があって、アラビア文字をアーティスティックに書く方法を学びました。
先生に自分たちの名前を書いてもらった
私でも比較的簡単に演奏できる楽器を選べました。
本番中もずっと楽器担当の子が助けてくれています。
マレーシア人の人柄
マレーシアの方たちは、明るく、元気で、誰にでも話しかけに行くコミュニケーション能力が高い人が多い印象でした。誰と話しても嫌な顔一つされず、皆さん優しく接してくれました。イポー市にいる東アジアの人は、圧倒的に中国から来られている人が多いので、日本人が珍しいようでした。ホストマザーの職場に顔を出した際は、日本語で挨拶をしてくださったり、日本が好きだと言ってくださったり、「近々日本に旅行に行くんだよ!」と言っていた人もいました。私は人見知りをしやすいタイプなので、マレーシア人のフレンドリーさに非常に憧れました。
また、マレーシアの方たちはおもてなし精神が強いです。その場を盛り上げて歌って踊ってくれ、食事をしようとなったときも食べきれない量を用意してくれます。とても素敵な国民性だなと感じました。人と人とのつながりを強く大切にしているように見えます。日本での人間関係における問題の一つが、人との直接的なつながりが弱まっていることが挙げられます。私もマレーシアの人たちのように、身近にいる人を大切にし、限られて空間で人間関係を構築するのではなく、よりもっと様々な人と交流を行っていきたいと考えました。
どなたかは分からなかったけど、誕生日だったみたいでお祝いしました
高校の生徒さんから「写真撮ってほしい!」と頼まれたり、手を振り返すと喜んだりと、みなさん歓迎してくれてフレンドリーで可愛かったです。
マレーシアの食事
マレーシア人の多くはムスリムなので、豚肉を使った料理は出てきません。また、ヒンドゥー教徒の方もいるので、出てくる料理は魚介類や鶏肉・羊肉を使ったものが多かったです。主食は、お米やビーフンのようなお米を使った麺、ロティチャナイ(ナンのように平べったいパンのようなもので、しっとりしている)が多くみられました。
そして、赤道に近い年中暖かい気候の国なので、日本では見られないフルーツがたくさんありました。市場に行くとフルーツがたくさん売ってあって、味見もさせてくれます。
伝統的なスイーツは、お米の上にココナッツ味の緑のプルプルしたものでした。日本でもお米を使ったお菓子は見受けられますが、もう少しお米の味が引き立つような組み合わせだったので興味深かったです。
食べ物すべてに共通して言えることは、甘いか辛いかはっきりしていることです。現地の人が「これは辛くないよー」と言っていてもピリ辛で、飲み物もデフォルトが砂糖がしっかり入っているドリンクが多かったです。日差しも強く、気温も高い国なのでエネルギーをしっかりとる食文化が味付けに表れていると感じました。
学校の朝食
学校で朝食をとるのだそう。朝から元気もりもりになりました。この前にもパンをもらっていたので、どれが朝ごはんなのか少し困惑していました。
ロティチャナイや伝統的なお菓子、サモサ、スープ、辛めのチキン、少し粘り気のあるお米を味付けしたもの
朝ごはんを外で食べました。薄いトーストの上にバターとポーチドエッグのようなものを乗せたもの。醤油を少したらして食べます。日本でも目玉焼きを乗っけて食べますが、こちらのほうが私はおいしかったです♡食べた時感動しました。コーヒーはやはり甘かったです。
ある日の夜ごはん
冷蔵庫が壊れていたみたいで、ずっと外食をしていましたが新しい冷蔵庫が届き、マザーの手料理を食べることができました!レストランの料理もおいしかったのですが、やっぱりどこの国でも家庭で食べる料理が一番おいしいなと感じました。
味付けは濃すぎず、薄すぎずで料理上手なお母さんでした!いつか私もマレー料理に挑戦してみたいなと思っています。
姉妹都市交流を通して
改めて違う世界を体験することの素晴らしさ、大切さを感じました。ネットで情報を知ることや、人から話を聞くだけでは知ることもなかったリアルな事情、習慣、文化、考えがあることを発見し、自分の目で見て、現地の人と会話することの重要性を知りました。もしかしたら、今回の事業に参加していなかったら一生気づくことができなかったかもしれません。出発する前の荷づくりのとき、「ムスリムの方が多いから、もしかしたらずっと長袖なのかな…」と心配していました。なぜなら私は類を見ない暑がりなので、長袖を暑い中着るなんて言語道断。でも、半袖を着ることが失礼になるかもしれないと恐れていました。そのことが気がかりでインターネットでずっと調べていたのですが、これといった情報が見つからず、最終的に長袖と半袖を持っていきました。ホストマザーに「私も長袖着たほうがいい?」と聞くと、「あなたは日本人なんだから~気にしなくていいのよ!」と言われました。
私のお気に入りの服を着た時には褒めてくれて、私の杞憂でした。現地の人にしかわからない感覚があるので、自分の憶測だけではどうにもならないことが多いように思えます。このような話は意外と社会問題の原因にも関連するのではないでしょうか。例えば、人種差別はどうでしょう。差別の原因の一つとしては、相手の宗教や国の習慣をただ表面上だけ見て、憶測で勝手に決めつけて攻撃をする。もちろん歴史的な背景や個人的な事情があるかもしれません。しかしながら、実際に一緒に過ごしてみると自分たちが考えていたものと別のものが見えてくるかもしれません。また、社会問題の一つのいじめにも共通しています。学校という空間では、相手のことをすべて知り理解することは正直難しいです。けれども、いつでも自分の隣にいる人は置かれている環境が異なっても同じ人間で、毎日を懸命に生きている仲間だということを考える人が増えるならば、もしかしたらいじめがこの世の中から減っていくのかもしれません。
話が脱線してしまいましたが、この事業の一番の強みはマレーシアに住む人と同じ生活ができ、多くの人と交流できることだと思っています。個人の旅行では、現地の学校に行ったり、ホームステイをしたり、生活を体験したり、家庭料理を食べたり、パーティーをしたり……このような経験はなかなかできないと思います。
最後にはなりますが、この事業を支えてくださった福岡市職員の皆様、その中でも出国から帰国まで手のかかる私たちを安全に見守ってくださった国際交流課のお三方、ご協賛いただいた福岡舞鶴ライオンズクラブ様、イポー市職員の皆様、日本旅行様、心より感謝申し上げます。私にとって今回の派遣は一生の中の大きな思い出であり、変化だと思っています。これからも両市のよりよい発展と親交の深まりに陰ながら応援しています。
団員のみんなへ!
みんなそれぞれ違う学校から来ていて、仲良くなれるか不安だったけど、みんな明るくて元気で滞在中ずーーーっと楽しかったです!みんなに出会えてよかった!いつかまた会おうね大好き!