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マレーシア・イポー青少年訪問団派遣レポート①~マレーシアの学校と生活について~

2024年8月15日~24日の期間で派遣した福岡・イポー青少年訪問団派遣事業について、訪問団員(7名)のレポートをご紹介します。
まずは1人目、上智福岡高等学校2年生・大石さんのレポートです。

-マレーシアの生活と学校について-
今回、マレーシアに10日間滞在して特に興味深かった現地での生活と学校についてお伝えします。

-現地での生活- 
・マレーシアの朝  

 午前6時頃にモスクからイスラム教の礼拝時間を知らせるアザーンが街中に響き渡り、その音とともに目覚める。アザーンの存在も知っていたが、実際に聞いてみると想像以上に音が大きくて驚いた。マレーシアの国教はイスラム教であり、イスラム教徒の数が人口の半分以上を占めているため、モスクがいたるところにあった。イスラム教徒は一日に5回お祈りをするため、レストランやサービスエリアなどにもお祈りをするための部屋が設置されていた。

マレーシアのモスク.png
マレーシアのモスク

夜ご飯の時間
 私がイポー市でホームステイをしていた時、夕飯を食べ始める時間は 20:30〜21:30と遅い時間だった。私はオーストラリアにホームステイをした経験があるが、そのときは夕飯を食べ始める時間は17:00〜18:00と早い時間だったため、国によってこんなにも夕飯を食べる時間が異なるのかと思い、他の国はどうなのか、地域によって変わるのかなどを調べてみたいと思った。

ロティチャナイ.png
ロティチャナイ
個人的に1番好きだったマレーシアの料理、インドカレーとナンに似ている。

・食べ物
 マレーシアの料理は辛い料理が多い。ホストファミリーと食事をしたときに、私が「辛い!」と言いながら食べていたものをホストシスターは平然とした顔で食べていたり、ホストファザーは私が食べているものよりも何倍も辛いものをこれまた平然とした顔で食べていたりした。辛いものばかりだと思ったら、夜ご飯のときの飲み物はとても甘かった。他にも、パンケーキに辛いソースをつけたり、イポー市発祥のかなり甘めのホワイトコーヒーのお供にはフライドチキンだったりと、甘いと辛いのを同時に楽しむのが、マレーシアの食事の大きな特徴だと感じた。

パンケーキと辛いソース.png
パンケーキと辛いソース

イポー発祥といわれるホワイトコーヒー.png
イポー発祥と言われているホワイトコーヒー

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マレーシア料理

-現地の学校-
 私達は8月20日、21日の2日間イポー市にあるラジャ・チュラン高校に通った。

・授業の時間
 高校の授業開始時は7:30からだった。8:30から始まる日本の学校と比べると、約1時間も早い。授業時間が早いのは、1年中夏で気温が高い南国の国だからだろう。全ての授業の開始前には、イスラム教徒の人はお祈りを唱えてから授業を受けていた。授業時間は1コマ30分の場合と1コマ1時間30分の場合があった。日本では1コマ50分であるため、この点でも違いがある。2コマ終わるとリセスという30分ほどの休憩がある。休憩時間には、カフェテリアのようなところで生徒は軽食を取っていた。その後また授業に戻り、14:30に学校は終わる。授業スタイルは日本と変わらず、美術、音楽、理科のクラス以外は先生がホームルームのクラスに来るスタイルである。

・学校の建物
学校内に入るとまず、集会などを行う場所がある。日本の学校で集会をするとなると体育館などの室内の場所が多いと思うが、マレーシアの学校では屋根があるのみで壁はなく開放的な空間であった。カフェテリアも同様であった。授業を受ける建物は二階建てで、教室は窓がなく、廊下は外廊下であった。エアコンはなかったものの風通しが良いので、気温は高いが特に暑いと感じることは一度もなかった。授業開始時間と同様に建物からも現地の気候に合わせた工夫が大いに読み取れた。

高校内の渡り廊下.png
高校内の渡り廊下

ラジャチュラン高校の生徒と.png
ラジャ・チュラン高校の生徒と

校舎.png
校舎

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Calligraphyクラス

-マレーシアの英語-
マレーシアで英語が通じるか不安だったが、ホストファミリーや学校の子供達は、私が聞き取れるようにゆっくり話してくれた。マレーシアの学校では、マレー語で授業が行われていた。公用語が英語と聞いていたので英語で授業をするのかと思ったが、マレー語の授業だった。マレーシアの学校では、日本と同じように第二言語として学ぶ英語の授業がある。私が驚いたのはマレーシアの人の英語力の高さである。公用語が英語ということはあるが、学校の授業はマレー語で行われているし、家族と話すときもマレー語で話す。日本で英語を学ぶように彼らも英語を第二言語として学んでいる。マレーシア人と日本人の英語力の違いは何なのだろうか。マレーシアでは英語の授業が小学一年生から始まるらしいが違いはそれだけではないと思う。彼らは英語で話すことに対してとても積極的であった。学校に行けば、私が体験入学したクラスの子だけでなく、いろいろな学年の子が話しかけてきた。私は英語を話すことに対して自信がなかったが、彼らに出会って、まずは、思い切って話すことが大切であると感じた。別に文法が完璧でなくても単語が簡単でもいいのだ。テストで点数を取るためには、文法をきちんと勉強している必要があるが、話す分には関係ない。話すことで、相手が自分に興味を持ってもらい、そこから会話が弾んでいく。とにかく英語を話すことを躊躇せず積極的に話すことが英語力を上げ、自分の英語に対して自信を持つきっかけとなるのかもしれないと思った。英語を話すことで、聞き手が知りたいのは、相手の英語力ではなく、相手の意見なのだ。そのことをこの派遣事業で身に染みて感じた。

バドミントン.png
ホストブラザーシスターとバドミントン

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ホストファミリー

-派遣事業を通して-
 今回の事業でマレーシアに行って多様性というものの大切さを感じました。日本では少数であるイスラム教徒は、マレーシアでは大多数であり、人種も様々です。学校では、制服も違います。そのような環境の中でお互いの文化や宗教を尊重し合って、生活している姿がとても印象的でした。日本は基本的には単一民族の国なので、日本にいると多様性の大切さを学ぶことはそう簡単なことではありません。しかし今回の派遣事業を通して、多様性について身を持って学ぶことができました。多様なバックグラウンドを持った人々と関わる国際的な機関で働くことが夢である私にとって、マレーシアに行って多様性の大切さを改めて感じられたのはとてもいい経験でした。
 また、イスラム教のことについても学ぶことができました。前述のように、マレーシアにはイスラム教の人が多く、私のホストファミリーもムスリムでした。マレーシアに行く前までは、特にムスリムの知り合いがいるわけでもなく、教科書、テレビやインターネットを通じてしかイスラム教について知りませんでした。勝手にイスラム教に対して持っていたイメージがありましたが、マレーシアに行って、沢山の人と関わることで、自分が持っていたイメージとは違うことに気づきました。もしマレーシアに行かなかったら、勝手なイメージを持ったままだったかもしれません。このことから、私は、理解を深めることの大切さを学びました。知らないことで、抱いてしまうステレオタイプ、それはすべての人に共通のことです。しかし、深く理解することで、自分が抱いていたステレオタイプが正しくないことに気づくことができます。今回の旅は、「深く理解する」ということが、様々な国籍、民族、言語、宗教の人が生きる世界ではとても大切なことだと教えてくれました。
 この経験を胸に将来に向かって頑張っていきたいと思います。そして、ホストファミリー、マレーシアの学校でできた友達、団員6人と市役所の方などの素晴らしい方々に出会うことができました。世界情勢が大変な中、この派遣事業を通して素晴らしい出会いがあったこと、マレーシアでの一生忘れることのできない貴重な経験ができたことに感謝したいです。

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  2024/12/05   福岡市姉妹都市実行委員会